フロン排出抑制法とは?【具体的に!わかりやすく解説!】

ビルメンテナンス
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「フロン排出抑制法」は耳にしたことがあるんだけど、その詳細や具体的な義務までは理解できていないのが現状ではないでしょうか?

この法律は単なる環境対策だけではなく、機器の管理不備によるリスクを回避し、社会的責任を果たすための重要な指針です。

病院での施設管理を20年以上勤務している私(マッチ棒)が経験を活かして「フロン排出抑制法」の具体的な対応方法についてわかりやすく解説します。

オイル社員
オイル社員

先輩、フロン排出抑制法による点検って結局どうしたらいいんですか~?

マッチ棒
マッチ棒

点検が必要ってことなんやけど、実際ににどんな頻度でどんな内容の点検したらいいのかってわからんよな~

オイル社員
オイル社員

そうなんです!いつも通りわかりやす~くて、具体的なアドバイスお願いします!

マッチ棒
マッチ棒

OK!今の施設で実際にやってる方法も含めて説明するよ!


フロン排出抑制法とは

フロン排出抑制法の正式名称は「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」で、オゾン層保護と地球温暖化防止の観点から、フロン類の排出抑制を目的として制定されました。
この法律は、業務用エアコンや冷蔵・冷凍庫などの機器を適正に管理して、フロン類の漏えいを抑制するのが目的となっています。

また、フロンガスの製造から使用、廃棄までの適切な管理点検や漏えい時の報告などを義務付けた法律です。2020年に施行された改正フロン排出抑制法では、「機器廃棄時のフロン類の適正な引渡し等」の実施も加えられています。


オイル社員
オイル社員

要はエアコンや冷蔵庫などに使われているフロンガスが大気中に漏れ出さないように管理しろ!っていうことですねっ

マッチ棒
マッチ棒

そう!製造→使用→廃棄までを適正に管理をしてくださいってことやね!


対象の人は?

フロン排出抑制法実施の対象となるのは、次の項目に該当する管理者です。

  • フロン排出抑制法対象機器を所有・管理している者
  • フロン排出抑制法対象機器のリースやレンタル契約をして自己管理している者(ただし、リースの場合は利用者、レンタルの場合は所有者である貸主が対象になるのが一般的
  • フロン排出抑制法対象機器を所有・管理するビル、建築物のオーナー

管理者の義務について

管理者は、対象機器の管理にあたり、以下の事項を遵守する必要があります。なお、各都道府県が指導・監督を行うと決まっており、違反した場合には、罰則が適用される可能性がありますので注意してください。

機器の点検・整備に関する履歴の保存
適切な危機管理が行えるよう、機器1台ごとに点検・修理、冷媒の充塡・回収等の履歴を記録し、機器の廃棄までを記録保存する必要があります。

適切な場所へ機器の設置等
機器の損傷等を防止するため、適切な場所に設置し、適正な使用環境の維持・保全を行うことが必要です。

機器の点検
全ての第一種特定製品は、3カ月に1回以上の簡易点検を行うこと。また、室外機の定格出力が一定以上の第一種特定製品については、簡易点検に合わせて、専門知識を有する者による定期点検を行わなければならない。

漏えい防止措置、修理しないままフロン充填の原則禁止
機器からフロン類が漏れていると確認されたときは、漏えい箇所の特定・修理を行わずにフロンを充填して使用することは禁止されています。

対象の機器は?

以下に当てはまる機器(第一種特定製品)が対象です。

  • エアコンディショナー又は冷凍冷蔵機器
  • 業務用として製造・販売された機器
  • 冷媒としてフロンガスが充填された機器

具体的には下記のようなものとなります。

  • パッケージエアコン(店舗、工場、事務所などに設置されている空調機)
  • スポットエアコン(パッケージエアコンの一種で、室内機と室外機が一体型のもの)
  • ターボ冷凍機(ビルの空調や工業用など、比較的大規模な空調機器。)
  • チラー(冷水が循環する一体型ユニット。冷水を必要なところに運んで冷却する。冷凍倉庫、工場のプロセス冷却などで使用)
  • 業務用冷凍庫(飲食店などでも使用される大型の冷蔵庫)
  • 冷凍冷蔵ユニット(店舗のバックヤードなどに設置されることが多いプレハブ型の冷蔵庫)
  • ショーケース(陳列ケース、アイスクリームストッカーや牛乳用ショーケースなど)

ただしルームエアコンや7.5kw未満の業務用エアコン及びカーエアコンは定期点検の対象外となっています。

オイル社員
オイル社員

家庭用以外の建物の空調機器と大型店舗なんかで使われている業務用の冷蔵庫なんかが対象って感じですね

マッチ棒
マッチ棒

そう!だから結構対象になる建物があるっていうことやね…


点検の種類や頻度は?

点検の種類は簡易点検と定期点検の2種類に分かれています。

簡易点検

簡易点検は、すべての第一種特定製品を対象とした点検です。

*第一種特定製品とは、業務用のエアコンディショナー(カーエアコンを除く)及び業務用の冷蔵機器及び冷凍機器で、冷媒としてフロン類が使用されているもののことをいう。

点検の実施者について資格は不要です。点検頻度は3カ月に1回以上で、点検内容は次のとおりです。

1. 冷蔵機器及び冷凍機器の庫内温度
2. 製品からの異音、製品外観(配管含む)の損傷、腐食、さび、油にじみ並びに熱交換器の霜付き等の冷媒として充填(じゅうてん)されているフロン類の漏えいの徴候有無
エアコンの場合は2のみ、冷蔵機器及び冷凍機器は1と2の両方です。

定期点検

定期点検は、簡易点検の対象機器のうち、圧縮機の電動機定格出力が7.5kW以上の機器を対象にした点検です。
点検は、機器の構造や運転方法などについて十分な専門知識がある人が実施しなければなりません。点検頻度及び点検資格は次のとおりです。

製品区分圧縮機の定格出力点検頻度点検資格
冷凍冷蔵機器7.5kw以上3年に1回第2種冷媒フロン類取扱技術者
エアコン7.5Kw~25kw3年に1回第2種冷媒フロン類取扱技術者
エアコン25kw~50kw3年に1回第1種冷媒フロン類取扱技術者
エアコン50kw以上1年に1回第1種冷媒フロン類取扱技術者

圧縮機の定格出力は同一冷媒回路の合計となりますので、室外機を連結(マルチ接続)する場合は合計する必要があります。

*エアコンで40馬力未満の系統だと圧縮機の定格出力は25kw未満となる場合が多いです。

*チラーで合計の圧縮機の定格出力が50kwを超えていても冷媒回路が複数に分かれていることもありますので確認が必要です。

ガスヒートポンプエアコンの場合は圧縮機出力ではなくエンジンの電動機出力が対象となります。また、ガスヒートポンプは室外機単体では30馬力までしかなく25kw未満になりますが、マルチ接続をする場合は注意が必要です。(25馬力のダブルマルチは25Kwを超える可能性があります。



罰則について

違反時の罰則

2020年4月施行の改正法では、機器を捨てる際にフロン類を回収しなければ即座に罰則が科せられる直接罰も追加されています。
フロン排出抑制法における違反と直接罰について、現時点(2024年)での内容を表にまとめると以下のようになります

違反の内容直接罰の内容
みだりにフロンを放出した1年以下の懲役または50万円以下の罰金
冷媒を回収することなく対象機器を廃棄した50万円以下の罰金
回収依頼書または委託確認書を交付せずに廃棄した、または書類の保存を怠った30万円以下の罰金
引取証明書(写し)の保存を怠った30万円以下の罰金
行程管理票の記載がない、または記載が不十分30万円以下の罰金
廃棄する対象機器を引き渡す場合に「引取証明書」の写しを交付しなかった30万円以下の罰金

オイル社員
オイル社員

定期点検は資格が必要で、罰則もしっかりあるってことですね…

マッチ棒
マッチ棒

だからキチンとした対応が必要やね。次は具体的な点検方法を解説するね。

具体的な点検方法は?

先ずは点検資格を有する職員がおられるのか否かということです。私どもの組織には第2種冷媒フロン類取扱技術者の受験資格を持っている職員がおられたため取得して頂くことが出来ました!受験資格には実務経験が必要で、このような方はこの法律に対応するのに貴重な人材と言えます

先ほど確認しました定期点検の資格にあるように7.5Kw以上では第2種フロン類取扱者の資格が、25kw以上は第1種フロン類取扱者の資格が必要になっています。25Kw以上の同一冷媒回路の系統はそれほど多くなく第2種冷媒フロン類取扱技術者の資格を持っていれば大半の設備を自社で点検することが出来ます。

要は第2種冷媒フロン類取扱者がおられるか否かでフロン排出抑制法に対応するのにかかる費用が大きく変わってくるということです。

では次に点検項目を実際の点検表の画像を元に確認しましょう!

自社で頑張って点検

 社内に点検資格者がおられる場合は次のように点検表を作成して行います。

これは3カ月に1回必要な簡易点検表(点検に資格は不要)の画像です。超アナログですね~( ゚Д゚)

一覧表を作って点検したら〇付けしていく感じですね…


次に3年に1回の定期点検の点検票です。これは第2種フロン類取扱者が点検する必要があります。


次は第1種冷媒フロン類取扱者しかできない系統の点検で、おそらく自社での点検は困難で大半が外委託する必要があると考えられます。

弊社でもこの点検は外部委託としています

オイル社員
オイル社員

先ずは点検資格者が社内にいてるか、受験資格を有する者がいてるかを確認する必要がありますね!

マッチ棒
マッチ棒

そもそも事務所ビル等でそのような技術者が全くいない場合は外部委託する必要があるな!


便利な外部委託サービスの採用

今回はダイキン工業さんのアシスネットサービスの事例を紹介します。

アシスネットサービスとは、フロン排出抑制法の対応を含む空調管理をサポートしてくれるサービスで遠隔管理できるIoT端末を室外機に取り付けるだけで、修理記録もサーバーで一括管理が可能です。
(既設室外機にも設置可能で、インターネット回線を繋げる必要もありません。)

こちらのサービスを利用すると次のような点検記録表が簡単に作成できることが出来ます。

また、3カ月ごとの簡易点検時期になるとメールで通知が来て点検忘れも防止してくれます。

3年に1回の有資格者によるフロン点検をセットにしたサービスでとても便利です。

アシスネットサービス(ダイキン工業)はこちらを参照してください

 また、上記のようなWEB上で記録するサービスまでは費用的に手が出ないな~っという場合は、空調メンテナンス会社に個別に見積を取って有資格者による点検を行っていただき、記録を保管する方法でも問題ありません。(その場合3カ月毎の簡易点検は自社で点検・記録・保管が必要です。)

オイル社員
オイル社員

便利なサービスもあるんですね~。これを採用しましょうよ!

マッチ棒
マッチ棒

そりゃ~そうしたいところやけど費用はそれなりにかかるんで、値段と手間とをじっくり考えて採用せなあかんやろね…


まとめ

フロン排出抑制法は、冷媒機器を使用する全ての事業者に関係する重要な法律です。法令を遵守することで、地球温暖化の抑制に貢献できるだけでなく、企業のリスク管理や社会的信頼性向上にもつながります。特に漏洩防止のための定期点検や、廃棄時の冷媒回収の徹底が求められます。

今回紹介した具体的な点検方法を参考に皆さんも頑張ってください!

院の空調設計の考え方をモデル病院を用いて具体的に解説していますので下記の記事もご参照ください。

⇒病院の最適な空調設計は?【モデル病院を元に徹底解説!】


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